「知的資産」とは③

知的資産経営における知的資産とは何かを知る3回目です。

前回の「知的資産とは②」では、知的資産を知るためのキーワードとして「目に見えない資産」「企業の強みとなる資産を総称する幅広い考え方」の2つを挙げ、その内の「目に見えない資産」について掘り下げてみました。

今回は、もう一つのキーワードである「企業の強みとなる資産を総称する幅広い考え方」を掘り下げてみましょう。注目してほしいのは「幅広い考え方」という部分です。

あなたの会社の強みは何ですか?

そう質問されて、すらすらと自社の強みを答えられる経営者さんはどれくらいいるでしょうか。また、答えられる経営者さんの答えはどのようなものでしょうか。

「強み」と聞かれると、特許のような独自技術、業界シェア、そして知名度やブランド力といったものを連想するかもしれません。また実際に、それらは紛れもなく「強み」であることにも違いありません。ですから、特に中小・小規模企業では、強みが何かと聞かれても「自分の会社にはそんな強みなんてないよ」とお答えになる経営者さんもおられるでしょう。

ですが、そんな「自社には強みなんてない」会社も確かに収入を得ています。その会社の商品、製品、サービスにお金を出すお客さんがいるのです。そこにはどんな理由があるのでしょうか。「知り合い」だから、「家から近い」から、「話しの面白い営業マンだった」から、「接客の態度が良かった」から・・・と、きっと会社の数だけありとあらゆる理由があると思います。

そうです。こうした、ありとあらゆる理由があるから売れるのであり、まさにこれこそが「強み」なのです。お金を出してくれるお客さんがいる会社には、必ず強みがあるのです。

そして、この強みは決して商品や製品やサービスだけでもなく、独自の技術やブランド力だけでもありません。経営者や従業員といった人の力、昔からの付き合いといった関係性、会社が持っている団結力・・・等々、経営者さんが気にも留めていなかったところにこそ存在しているのです。

つまり、知的資産が「幅広い考え方」であるとは、前回の「目に見えない」ことを除いては、強みに対して制限を加えていないことを意味します。どうして売れるのか。どうして売れないのか。その裏には理由があり、それが強みの源泉であり、そして知的資産なのです。

実際にお客さんや顧客さんに直接「どうして私の会社で買ってくれるのですか?」と聞いてみてください。思いがけない答えが反ってくるかもしれません。同時に、その思いがけない答えが、何よりもの強みであることに気付くはずです。

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